キーボードを分割するメリットについて本気で考えてみた

poyonexです。

以前の記事の通り、かれこれ1年半ほど業務で分割キーボードのCorne Cherryを使用している。 自分なりに通常のキーボードとの違いが見えてきたような気がする。

「分割されている」ことがどうプラスに働くのか、ちょっとまとめてみる。

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ノートPCにて使用時のポジショニング

メリット

体にいい

キーボードは両手で使うもの。しかしキーボードは肩幅より小さく、ホームポジションの人差し指の間はキー2つ分しかない。これは狭い。

キーボードを長時間打ち続けることは当然肩に負担をかける。その主な理由は肩幅より狭い状態に手を置き続けることにあると思う。

そこでキーボードを分割すると、当然ながら左右のキーボードを置く位置は思いのままなので肩に優しい配置でタイピングができるようになる。

デスクワーカーにとって首、腰、肩あたりは重要な資産。 首はディスプレイ位置で、腰は上等な椅子で、そして肩は分割キーボードでかなり楽になると思う。 在宅勤務やデスクワークで肩こりが増えたという方は是非検討して欲しい。

ホームポジションを崩さなくてよい

これは分割キーボード、というよりかはキーが少ないキーボードのメリットである。

左人差し指をFキーに、右人差し指をJキーに置くのが俗に言うホームポジションである。 Adobe製品を多く使うデザイナーの方は左小指をCtrlに置くポジショニングの人が多く見られるが、通常のホームポジションはFキーとJキーである。

数字やファンクションキー、方向キー等、ホームポジションから遠いキーはタイプするとき必然的にホームポジションから手が離れる。 ホームポジションが崩れるということは、またそのポジションに戻ってくる必要があるということだ。

現在使用しているCorne Cherryは片手21キー、両手で42キーで構成されている。フルキーボードが109、コンパクトキーボードでも60以上の物が多いので、42キーはかなり少ない。

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3x6キー + 親指3キーで片手21キー

1キーに1文字だと当然足りないので、メタキーとの組み合わせで入力する必要がある。 例えば、

  • 右手のメタキー + a~gキーで1~5、z~bキーで6~9, 0
  • 左手のメタキー + h, j, k, lで←↓↑→の方向キー

というように入力できるよう自分は設定している。 これの何が素晴らしいかというと、全くホームポジションから動くことなく全ての記号を入力することができるということだ。 慣れれば数字、記号の入力速度は格段に早くなる。

正しいホームポジションに矯正するのにも役立つ。 右手の守備範囲がGキーあたりまで侵略している人も結構多いが、分割キーボードでは確実に右手で入力することになる。 だって届かないもの。

デメリット

慣れるのに時間がかかる

これは新しいガジェットに手を出すときには必然的に発生するが、どうしても今まで慣れた入力装置から移行するのは慣れが必要になる。キーボードなんてものは(通常)同じような形をしているので、尚更である。

身近に分割キーボード使いの人がいる時や、ビックカメラのキーボードコーナーに寄った時、是非試しに入力してみて欲しい。なんか変な感じになる。ホームポジションが崩れてる人は物凄い違和感に苛まれることと思う。

さらなる問題点として、「分割キーボードに慣れた後、通常のキーボードに慣れる」必要があるのだ。 分割に慣れると、通常のキーボードのタイピングがおかしくなるのだ。 特にCorneのように通常と違う形状のキーボードは顕著である。 まあいずれどちらでも入力できるようにはなる。

片手での操作が難しい

マウスを動かしながらちょっとキー入力をする際、分割はちょっと困る。 左右で離れた場所にあるので、住所などの数字を入力する時に物凄い距離を移動することになる。 自分は数字を入力するためには左右両方のキーを押さなければならないので、片手だとそもそも入力できないのだ。

なので、テンキー等を使ってもりもり数字を入力する機会が多い人にはちょっと向かないかもしれない。 ただ、テンキーだけのキーボードを導入して「3分割キーボード」のスタイルの強者も結構いるらしい。

岡目八目おすすめ分割キーボード

自分は先に出ていたCorne Cherryしか持っていないので、キーボード界隈ではひよっこもいいところなのだが、この辺からエントリーしていけばいいのでは、というリストを提示してみる。(石を投げられるかもしれない)

既製品の分割キーボード

既に完成しているキーボードが販売されているモデル。 普通のコンパクトキーボードが左右割れている、というだけなので、ホームポジションさえ守れば入力は特に問題なくできるはず。

「既に完成している」という言葉を出したのは、キーボード界隈は部品を自分ではんだづけしてキーボードを自作する文化が結構ある。 人によっては楽しい!となるが、そうならない人もいる、というか普通にハードル高いので既製品を最初におすすめする。

通常のキーボードを割ったモデル。 www.amazon.co.jp

キーボードとしては一つだが、若干左右が離れているモデル。ちょっとでかい。 www.amazon.co.jp

自作する分割キーボード

こちらは自身ではんだづけをするモデル。 とはいえ、はんだづけ初心者でも完成させることができる。 不安であれば秋葉原の遊舎工房様の工作室を訪ねるといいと思う。

yushakobo.jp

Mint60という自作キーボード。普通のキーボードを割ったような形。 自分も最初に作るものとして選択肢に入っていた。 デザインが可愛いのも素敵。

eucalyn.hatenadiary.jp

本記事に出ている縦にずれている形の分割キーボード。 個人的にはイチオシ。 形がカッコいいのと、必要最低限のキーでもしっかりタイピングできる機能性が良き。

自分がはんだづけして作った時より作成が簡単になったモデルらしい。 yushakobo.jp

最後に

在宅勤務が増えた方々。 くれぐれも体、特に首、腰、そして肩には気をつけて。 ノンエンジニアの方も是非分割キーボードを視野入れていただければ幸いです。